千代田九条の会
ニューズレター No19(2008.5.26)


ニューズレター No19(2008.5.26)

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ニューズレター No19(2008.5.26)

<事務局連絡先>千代田区猿楽町1−3−5 久野ビル3階

よびかけ人代表 鍛冶俊秀、隅野隆徳、中川雄一郎

ぶっとばせ☆格差・貧困!!
〜不安のない働き方・くらしが平和をつくる〜
講演会開かれる
 
 「ぶっとばせ☆格差・貧困!!〜不安のない働き方・くらしが平和をつくる〜」講演会が5月21日夜明治大学で開かれ、名ばかり管理職を扱ったマクドナルド事件を担当するなど労働事件の第一線でたたかう棗(なつめ)一郎弁護士(日本労働弁護団事務局次長)が講演をおこないました。



開会挨拶 中川雄一郎さん
中川雄一郎さん 冒頭、明治大学九条の会代表世話人・千代田九条の会事務局長の中川雄一郎さんが「今日の会は明治大学九条の会と千代田九条の会が結成3年目になるということで開きました。
 朝日新聞の5月3日付によると、九条改憲反対が66%、賛成が23%で差は年々拡大しているとなっています。これは九条の会の活動が大きな関係をしているのではないでしょうか。若者は77%が反対と言っているのは、不安のない働き方・暮らしを求めているからで、憲法と関係があります。自分のことを社会の中で考えるということがとても大事で、若者が将来を描けないような社会は作り変えていきましょう」と開会挨拶をされました。


現代日本の労働と貧困〜生存権と平和の尊さ
棗 一郎弁護士
 次いで、棗一郎弁護士の講演が行われました。同氏はまず、現代日本の貧困について「OECD(経済協力開発機構)の報告で日本の相対的貧困率はアメリカに次いで先進諸国で第2位、貯蓄無し世帯が2人以上世帯で約2割、1人世帯では約3割、国民健康保険の保険料滞納世帯が474万世帯で保険証を取り上げられた世帯は34万世帯、生活保護受給世帯が110万世帯、ホームレス1万8564万人、ネットカフェ難民5400人、自殺者数3万2000人そのうち8000人が経済苦を理由にしていて、生活保護を廃止された男性が『オニギリ食いたい』との日記を残して餓死した事件まで起こった」と実態を詳細に説明しました。
棗弁護士の講演


貧困の要因は?低賃金労働と雇用の崩壊
 棗さんは、貧困の要因として、低賃金労働と雇用の崩壊=非正規雇用の拡大があると解明しました。
 「ワーキングプアが拡大し年収200万円以下の労働者が1000万人を超えた。年収200万円以下の生活とはどういうものか?私が関わっている、グッドウィルの日雇い派遣の実態をみると、朝7時から夕方6時まで重労働をして、交通費その他引くと手元には4,500円しか残らない。これでは生活そのものが成り立たない。企業が非正規雇用を活用する理由では、51.7%の企業がコスト削減のためと答えている」と述べ、キャノン派遣労働者の平成19年2月の衆議院の公聴会での悲痛な訴えを紹介しました。
 そして「労働と貧困の問題は生存権(憲法25条)の侵害。ILOの最重要目標は、世界中の人々に『ディーセント・ワーク』(人々が生き生きと人間らしく働ける、生産的な仕事)を得る機会を促進することとなっている」と語りました。


貧困と平和の問題
 次に講師は「アメリカでは貧困層を、低賃金で働かせたいマックと、イラクへ派遣したい陸軍が奪い合っているという話、日本では反貧困の集会に自衛隊の採用担当者が顔を出している」など、危険な事実を述べた上で、「戦争は全ての国民生活を破壊するものであり平和がすべての基盤」と語り、名古屋高裁が判決で認めた平和的生存権の重要性を強調しました。

わたしたち市民・労働者・学生はこれからどうすればよいのか?
  最後に棗さんは、わたしたち市民・労働者・学生はこれからどうすればよいのかとして、すでに若年労働者とワーキングプアが反撃の狼煙をあげている具体例を挙げ、フリーター全般労組、首都圏青年ユニオンのたたかい、愛と生存のメーデー、グッドウィルユニオン日雇い派遣労働者のたたかい、ガソリンスタンドユニオンアルバイト労働者のたたかい、なくそう名ばかり管理職集会の成功などを報告し、「ナショナルセンターの潮流など関係なく、共通の課題に取り組む全ての労働組合・ユニオンが共闘し、日本の全ての労働者が連帯して自らの生活と家族を守るために、愛と生存をかけてたたかう時代がやってきた。憲法の生存権、労働基本権を武器に、たたかいをおこしていこう」と力強くよびかけました。


ユニオン千代田・渡辺典章書記長
ユニオン千代田・渡辺書記長 ついで会場からの発言に移り、ユニオン千代田・渡辺典章書記長が「私達は一人でも入れる地域労組で『後期青年ユニオン』です」と笑わせたうえで、「自分の子供が安定した仕事に就けない現実を知って、こんな世の中は変えなければ」と、運動に携わった経緯を述べ、「毎月1回神保町交差点で宣伝を行っています。その中で、ビラを見た調理師さんの『残業代が払われない』という訴えを聞き、団交を重ねた結果、残業代、年次休暇を支給させました」と報告しました。


千代田平和集会実行委員会事務局長・鈴木辰男さん
 2人目の発言で、千代田平和集会実行委員会事務局長・鈴木辰男さんが「千代田平和集会は今年17回を迎えます。区内の労働組合・民主団体や区民が、その時々の平和を脅かす問題を学習し、反対の声をあげて行こうと始まりました。今年は『日本国憲法と私たち』シリーズの第5回目で、『世界がもし100人の村だったら』の再話者として有名な池田香代子さんの講演をおこないます。今日参加されました皆さんも6月18日には是非全電通会館へ来てください」と訴えました。


閉会挨拶、日隈広志さん
 集会の閉会挨拶で、日隈広志さんは「私は大学院生で、ワーキングプアーです。毎年学費で52万円納めていますが、両親が年金生活者ですので、すべてバイト代です。友人は学費が払えず退学し、2年契約で山形県の嘱託で働いています。スエーデンなどでは学生は1円も払っていません。こんな(日本の)社会が許せません。
 イラクでどれだけ人が死んでいるのか、テロの根源に貧困があると言われている。事実を元に自分たちに受け入れる想像力が必要です。
 12月にピースナイトナインが開かれます。学生の九条の会による企画です。
 今日の貧困の話はまさに私たちが渦中にいる問題です。自分のことと受け止めそういう社会にしないよう頑張りたいと思います」と述べました。
 


 講演を聴いた青年が「自分もたたかいの隊列に加わりたい」と決意を表明するなど、参加者が勇気の出る集会となりました。