千代田九条の会
ニューズレター No22(2008.11.29)


ニューズレター No22(2008.11.29)

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ニューズレター No22(2008.11.29)Web版

<事務局連絡先>千代田区猿楽町1−3−5 久野ビル3階

よびかけ人代表 鍛冶俊秀、隅野隆徳、中川雄一郎

[ 千代田九条の会 秋の特別学習企画  ]
「自衛隊イラク派兵違憲判決に学ぶ」開催
 
「自衛隊イラク派兵違憲判決に学ぶ」学習会 
 11月19日(水)夜、千代田九条の会・明治大学九条の会・明大学生9条の会共催による「自衛隊イラク派兵違憲判決に学ぶ」学習会が開催され、名古屋高裁で違憲判決を勝取った裁判での弁護団事務局長の川口創(はじめ)弁護士、同裁判で証人として大きな役割を果たした明治大学の山田朗教授が講演をおこないました。
 学生40人をはじめとした150人の参加者は感動をもって受止め、これからこの判決を活かす運動をひろげようと決意をかためあいました。

中川雄一郎さんが開会あいさつ
 中川雄一郎明治大学教授(明治大学九条の会世話人代表、千代田九条の会事務局長)は「田母神前航空自衛隊幕僚長の危険な作文、発言があって皆心配をしてます。今日は川口弁護士と山田先生がイラク派兵違憲判決の講演をしてくれます。会場には学生が大勢参加していますが、私たち市民が良く学んでおくことが大事です」と開会のあいさつをされました。

名古屋高裁・違憲判決の意義・・山田朗教授の講演
 続いて、名古屋高裁の法廷で証人として自衛隊の実態について証言し、この歴史的な違憲判決を引き出す原動力となった、山田朗明治大学教授(千代田九条の会・呼びかけ人)の講演に移りました。
同教授は、判決の意義として次の4点を指摘しました。
1、平和的生存権の具体的権利を認めたこと
 憲法前文の平和的生存権は具体的な要求が出来るとは明確になっていませんでした。具体的権利性を認めたことで、これからの我々の運動の拠り所になります。
2、9条第1項違反を認定したこと
 他国の武力行使と一体の認定をしました。具体的に、いつどこでを厳密に検討しています。一般論でなく事実を掘り下げていっていて、輸送・補給は戦争・戦闘の不可欠の要素であり、アメリカ軍の戦闘行為との一体性・密接性を認めた判決です。
3、イラク特措法からみても違法だと認定したこと
 バグダッド・バグダッド空港は「戦闘地域」に該当するとしました。
4、司法による憲法判断
 冷戦後に自衛隊軍備拡大しています。輸送艦から空母へ、戦闘用計器を搭載した空自輸送機など。シビリアンコントロールがきかない状況になっています。司法判断で自衛隊のなしくずし拡大をに歯止めをかけられる判決です。
名古屋高裁判決をどう生かすか---
自衛隊の実態を明らかにする作業をさらに
 山田教授はまとめとして、「違憲判決が記念碑になってはダメです。イラクの実態、自衛隊の活動の実態を明らかにする作業をさらに進める必要性があります。全国の差止訴訟あと3つ残っています。これから成果と課題を広めることが重要です。戦争の実態(戦争の歴史)を多くの市民が知ることが必要で、市民が〈軍事〉を監視し、コントロールする力を強めていくことが重要ですと」結びました。




川口弁護士が講演 
「日本は今戦争中」その実感はあるのか?
 学習会は、イラク訴訟弁護団事務局長・川口創さんの講演に進みました。
 憲法9条は何項まである?1項は何?2項は?と矢継ぎ早に学生に質問し授業形式の講演スタイルでした。
 そして「今回の違憲判決は9条1項(戦争の放棄)違反です、ということは日本は既に戦争をしているということです、みなさん実感が湧いていますか?」と問いかけました。


DVDでイラク戦争の実態を学ぶ
 続いてイラク戦争のDVDを上映。アメリカ軍が使用した劣化ウラン弾や毒ガス兵器で、イラクの子供が尿道奇形、直腸肥大により生まれてから排便ができず人工肛門をつけた幼児、脊髄腫瘍など悲惨な状況の画像が続きます。
 砂漠に埋められた戦死したアメリカ兵の白骨遺体。米軍は戦死者を少なく見せるため民間が雇った兵士などを埋めているのです。
 イラク戦争は民営化され、民間軍事会社(PMC)が金で雇った兵士を送り込んでいます。
 そしてこのPMCへの出資会社にブッシュ政権の中枢、さらにビンラディン一族までが関与し「戦争で大もうけ」をしていることが明らかにされました。

 川口さんは「日本は国際貢献のためと言ってアメリカに全面協力をしているが、国連加盟200カ国のうち40カ国(現在は21カ国)しか参加していない。いかに異常か。ごまかされない事が大事です」と述べました。


イラク訴訟の目的=我々がイラクの子供たちを殺したくない
 イラク訴訟の目的は、我々がイラクの子供たちを殺したくない加害者になりたくない、の一点で原告が集まりました。ここでは九条は目的ではなく手段です。九条を知らない高校生も原告に加わりました。おかしいと思ったら行動することです。

 ファルージャの武装勢力掃討作戦、実態は民間人無差別殺戮でした。6000人から7000人が殺されました。
 バグダット(空自の兵員輸送先)では昨年1年間で1447回の空爆(=1日4回)が行われました。
 これらは私たちが立証し判決に盛り込まれました。

 アメリカ兵は皆さんと同じ20才くらいの若者が、格差社会で大学にいけず、奨学金目当てにイラクへ行っています。他人事ではありません。
 イラク人の死者は65万人(最近のニューヨークタイムスでは100万人)といわれています。

 自衛隊は戦闘地域に米兵を輸送しています。我々がやっているのは殺人罪です。
 判決は、イラク特措法が合憲だとしても自衛隊のやっていることは違法かつ9条1項に違反すると言っています。これは政府に向けられたものですが、それを許してきた私たちに向けられたものかもしれません。


平和実現の担い手は私たち、みんなが黙っていてはいけない
 川口さんは最後に「平和的生存権は、国に任せていてはいけないということ、みんなが平和実現権の担い手だということ、私たちが黙っていてはいけない、政府まかせではいけないということです。

 判決は裁判官の共感、使命がみなぎっている感動的な判決です。こんな人間らしい判決は見たことがありません。それは私たちが声を上げたからです。
 若い人たちに言いたい、一人では限られている、横に広げ(友達に)、縦につなげ(先輩から引き継いで後輩に繋げ)ること、細々とでも堂々と続けることが大事です。

 運動はいつもうまくいくわけではありません。でも絶対にあきらめないで続けていってください。」と熱く語りかけ講演を結びました。

閉会あいさつ 明大学生9条の会代表 
 「今日は知ることの大切さ、一人一人の声を上げることの大事さを学んびました。
早稲田大学でピースナイト9を開きます。多くの学生の皆さんの参加を訴えます。」



参加者の感想
◎ 20歳未満 学生(女性)今の現状を知ることができ、とても勉強になりました。また機会があれば講演を聞きたいと思いました。
◎ 20歳未満 学生  世の中の流れは変わらないと思っていた。なるようになるさと思っていた。実際世の中の流れは変わっていないのかもしれないけど、イラク派兵に違憲の判決がでて、それが政府の静動を変えたのかと思うと、少し希望がもてた気がした。米国が傭兵をやとっているのは知らなかった。とても勉強になった。
◎ 20歳未満 学生(男性)イラク戦争の実態が知れた、なんかactionをおこさないと
◎ 20代 学生(男性) 今まで知らなかったイラク戦争や、アメリカの裏側が知れた。もっと自分の知識を高めようと思えた。
◎ 20代 学生(女性) 分かりやすく現状を知れました。しょうげき的でした。
◎ 20代 学生(女性) 最新のDVDで自分の知らない部分が見られた。2人の先生からのお話も大変興味深かったです。
◎ 20代 学生(女性) この会に来なければ知り得なかったことが知れて、違憲判決という偉業を成し遂げた方の話を聞けたことが良かったです。
◎ 20代 学生(男性) 戦争は金儲けでしかないと再度実感した。
◎ 20代 学生(男性) 憲法9条について何も知らなかったが、我が国日本がイラク戦争に大きくかかわっているという矛盾を理解することができた。
◎ 20代 学生(男性) イラクの現状や判決の画期的意義がわかった。
◎ 20代 学生(男性) 自分たちがいかに騙されてきたかということを知ってショックでした。しかしこの現実を変えるためには「まず現実を知り」「細々と行動を続ける」ことが大切であると感じました。
◎ 20代 学生(男性) 平和というのは何なのかがふたたび確認できるようになりました。また、イラク戦争の正当性で疑問を持って、逆に戦争が起こらないように軍人としてどのような考えを持つべきかを思いました。
◎ 20代 学生(女性) これからの日本と世界の未来を担う私たちに必要なことは何か、学ばせてもらいました。とても勉強になりました。
◎ 30代 会社員(女性)川口弁護士のお話だけしか聞けませんでしたが、事実を示していくことの強さと1人1人の平和への思いが裁判官の共感を引きだしたのだ---と感動しました。「細々と堂々と」に励まされました。
◎ 40代 その他(女性)9条に対してとても役に立つ勉強になった。映像で見てイラクの実在がとてもよくわかった。
◎ 40代 その他(女性)川口弁護士の話が大変わかりやすくよかったです。判決文をよんだのもはじめてでした。事実のつみかさねにびっくりしました。
◎ 50代   (男性) 映像にドキッとして涙が出た。戦争のかなしさが心に痛い。本日上映されたDVDを全て観たい。
◎ 50代 会社員(女性)山田先生川口先生どちらのお話もとてもよくわかり、大変共感いたしました。9条は守るものでなく、使うものとのお言葉、ハッとしました。細々としかし堂々と、私自身も続けたいと思います。


→山田教授、川口弁護士のくわしい講演記録はこちらから