千代田九条の会
ニューズレター No25(2009.8.15)


ニューズレター No25(2009.8.15)

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ニューズレター No25(2009.8.15)Web版

<事務局連絡先>千代田区猿楽町1−3−5 久野ビル3階

よびかけ人代表 鍛冶俊秀、隅野隆徳、中川雄一郎

第18回千代田平和集会開かれる
9条と25条 〜わたしたちの生存権〜
毎日新聞社会部記者・東海林智さんが講演
 
 
 千代田区九条の会と千代田区春闘共闘委員会が共催する第18回千代田平和集会が、2009年7月28日に区内で開かれ190人を超える参加者が集まりました。
 今回の講演は長年「貧困の現場」を取材してきた毎日新聞社会部記者の東海林智(とうかいりん・さとし)さんです。
 氏は年末・年始の「日比谷公園派遣村」でも重要な役割を果たし、奮闘されたかたでもあります。

長年「貧困の現場」を取材してきた体験から
東海林智さん 東海林さんは「11年前に大阪西成釜ヶ崎の取材を2年間やりました。取材対象は日給1万〜2万円の日雇い労働者です。
 人夫だしの親方は朝『1万円で弁当・タバコ付だよ』と言って人集めをしてました。
 まだ今ほど普及していなかった携帯電話を持っているおっちゃんは毎日仕事にありつけました。
 今の日雇い派遣の原型が釜ヶ崎にあったのです。そこには労働組合があったので暗黙の最低賃金(1万円)がありました。
 そのうち親方は携帯を持っている若者に手を延ばし1万円以下で使うようになる。ここから日給がどんどん下がっていきました。
 5,6年前は『日雇い』だったが今は『時給』です。2時間だけで仕事が終わればその日はそれだけの時給しかもらえないのです。
 かつて釜ヶ崎ではドヤ代(宿代)の500〜3000円が払えないと野宿。今はネットカフェ難民。「自分がどこで朝を迎えるかは仕事のあるなしで決まる」ということになっています。
なぜこんな労働実態になったのか?
 東海林記者は「1995年に日経連が打ち出した『新時代の日本的経営』により、一部の正規社員と底辺の非正規社員という構造を作り出したことが、今日の労働実態に繋がっている」と指摘し、「『雇用の多様化』と言っているが、強制された働き方は多様化ではない」と断じました。
 驚くべき実例として「(労働者を)10分でお届け、無料お試し期間あり」と宣伝する派遣会社もあり、人間をモノ扱いする実態も報告されました。

勇気ある反撃が次々と
連帯してたたかうことが大事
 続けて記者はトヨタの過労死裁判について「内野さんと言う方が『夫は過労死だ』と裁判に訴えました。トヨタはQC・改善運動の時間を残業にカウントせず責任を認めなかったが、裁判所は残業と認め過労死だという判決をだしました。
 マクドナルドで名ばかり管理職の不当さを訴えた裁判では、2500万円の請求に対し会社側は1億円の和解提案をしてきました。全職場から同様の訴えをさせないための『抱きこみ・もみつぶし』をする目的で会社側は高額の和解金を提示してきのです。
 ニコンの過労死自殺高裁では7500万円の賠償命令が出ました。上段(うえんだん)さんという自殺した青年の母親が提訴した裁判です。青年は1999年の『派遣自由化』の年に死んだのです。
 財界が狙っているホワイトカラーエグゼンプションは、1000万以上の年収の労働者が適用されるといっておりますが、(制度がスタートすれば)年収条件は必ず下げられます。何回もだまされるなと私は言いたい。
 労働者派遣法は労働法ではないということは案外知られていません。実は商取引の法律なのです。なので、大分キャノンで派遣切りをした経営側は「首を切ったわけではない。派遣会社との契約を打ち切っただけ」と言っています。
 こんな働かせられ方は生存権にかかわってくると思います。
 アメリカのイラク派兵は50%以上が貧困家庭出身者です。九州では「自衛隊人気」広がっています。これは貧困と九条との関わりです」と語り、東海林さんは最後に、では私達は何をすべきかについて、「自分に出来る行動を自分の足元から、自分の周りからやっていくことが大事です。お金のある人はお金をだしてください、お金のないかたは知恵をだしてください、力のある方は力を貸してください。みなで連帯してたちあがりましょう」と結びました。




会場からの発言 
 
「神田九条の会」佐々木さん
 地元の人と飲みながら、改憲の動きに何かやらなければと話したのがきっかけで会を立ち上げました。
 4月18日には会の企画で「千代田区の戦跡めぐり」をやりました。江戸城(現皇居)の中を「九条の会」のワッペンを付けて歩いたのは私達が初めてではないでしょうか。
 そして、鈴木栄一さんが戦争体験を話しましたが、その話がすごく良かったという感想が皆からだされました。
 これからもささやかではあってもこういう企画を続けて行きたいと思います。

「千代田九条の会」島田修一さんが閉会のあいさつ
 集会の最後に「千代田九条の会」呼びかけ人の島田修一さんが閉会のあいさつをしました。同氏ははじめに「民主党政権になったら改憲の危険は去るのでしょうか?」と問いかけ「政策を見ると答えはNOです。民主党は比例代表の議席を80減らすと言っています。これは改憲反対の少数政党を排除するものです」と指摘。
 「日本国憲法の真髄は人間が一番大事であるということ。人間が大切にされる憲法25条や13条を前面に出して、『ホープレス社会』ではなく希望のもてる社会にしていきましょう」と結びました。


アンケートによる感想から
・現場からの報告が真に迫り、弱者に対する優しさ、権力の醜さが伝わりました。こんな記者を大事にしたい。
・正義感みなぎる東海林記者の”連帯”のよびかけに熱く熱く感動しました。著作を読ませていただき、さらに私も前進したい。
・地元、地域の話はいいですね。神田九条の会の活躍、参考にしていきたいですね。