千代田九条の会
ニューズレター No26(2009.12.9)


ニューズレター No26(2009.12.9)

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ニューズレター No26(2009.12.9)Web版

<事務局連絡先>千代田区猿楽町1−3−5 久野ビル3階

よびかけ人代表 鍛冶俊秀、隅野隆徳、中川雄一郎

千代田九条の会 秋の特別学習会 開催さる 
激動のラテンアメリカ
〜新自由主義から国民主体の政治・経済へ〜
新藤通弘さんが講演
 
 
 千代田九条の会主催の秋の特別学習企画が2009年11月27日に開かれました。
 今回の講師は城西大学兼任講師、アジア・アフリカ研究所所員である新藤通弘さんで、演題は「米国からの自立をはかる中南米諸国民のたたかい」です。

ラテンアメリカでの大きな変革
新自由主義から自立へ20年のたたかい
 新藤氏は「鳩山内閣が出来て、最初は『市場原理主義は破綻した』『アメリカ一極時代は終焉』などといいことも行っていたが、普天間基地の移設などでワシントンの反撃を受け腰砕けの感がある。新自由主義との本格的なたたかいはこれからだ。ラテンアメリカでの変革も20年かかった」と前置きをした後その本題に入りました。
 新藤さんは「ラテンアメリカを見る場合反米と捉えると誤る。ベネズエラのチャベス大統領は『私たちは反米ではない。反帝国主義である』と述べている」としたうえで、変革の流れを「3つのさらばワシントン」と分析し次の3点からの離脱だと説明されました。
1、ワシントンコンセンサス(1989年)
2、米州自由貿易圏構想[FTAA](1994−)
3、機軸通貨のドル(2008−)

 
「ラテンアメリカの社会変革」のキーワードは
「米国からの自立した政策」
 「『さらばワシントン』のたたかいの結果ラテンアメリカ・カリブ海地域はこのように変わった」と新藤さんは次のように話を続けました。
1、左翼政権:7カ国(キューバ、ベネズエラ、ボリビアなど)・・・明確な新自由主義批判+対米自立
2、中道左派政権:4カ国(ブラジル、アルゼンチンなど)・・・一定の新自由主義批判+対米自立
3、中道政権・自主的立場:17カ国(チリなど)・・・新自由主義批判なし+明確な対米自立、その他自主的な立場
の3つのグループに分類できる。
 かつては「米国の裏庭」と呼ばれていたラテンアメリカの国々が「自主的な国」へと大きく変わった。
 「ラテンアメリカの社会変革」のキーワードは、80年代の新自由主義政策に対して、それを押付ける「米国からの自立した政策」だと解明しました。


しかし反動勢力の反撃も
背後にアメリカの介入
 「しかしたたかいは順調に進むばかりでなく、反動勢力の反撃も起こっている。
2009年5月、パナマの選挙で反対派に敗北。6月にはホンジュラスでクーデターによりセラヤ大統領が追放された。
 これらの背後にはアメリカの『いかがわしい国務省高官』がいる。彼らはかつてコントラ(反革命軍)を支援した『クーデターの専門家』であり、ブッシュの人事をそのまま引き継いだ人物である」


21世紀の社会主義を展望して 
〜社会主義のルネッサンス〜
講演する新藤先生 新藤さんは続けて「ラテンアメリカの変革をヨーロッパでは『社会主義のルネッサンス』とよんでいる」と紹介しその特徴を
1、20世紀の自称「社会主義諸国」や中央指令型経済のキューバ型「社会主義」を模倣しない。
2、(新自由主義で)排除された国民を再び国の発展の中に包摂するため、政治・経済・社会制度に、国民が主人公の参加型民主主義を推進する。選挙を通じた改革。
3、各国独自の条件を重視する。
 例えば多くの先住民が存在するボリビアでは「住民共同体社会主義」を標榜し、「母なる大地(パチャママ)」と調和した「安寧な生活」を憲法に書き込み、連帯・互恵・平等・双方向・コンセンサスにもとづいた社会主義を目指している」(4以下略)と述べました。


自立を強めるラテンアメリカ
米国抜きの共同市場をめざして
 最後に新藤さんは、自立を強めるラテンアメリカの動きについて次のような具体例をあげました。
◎「米国とラテンアメリカは成熟した平等な関係に発展している。ラテンアメリカの貧困はラテンアメリカで解決する」(08年5月チリ外相の発言)
◎南米諸国連合(07年4月)・・・総人口3億7500万人12カ国が参加。
◎ALBA(米州ボリーバル的統合構想=関税同盟から通貨同盟へ)・・・9カ国7300万人が加盟へ。
◎ラテンアメリカ・カリブ海首脳会議(08年12月)・・・33カ国が初の首脳会議開催。
◎米国抜きでの統合。対等・平等・領土保全・紛争の平和解決の原則。2010年までにラテンアメリカ・カリブ海諸国機構の創設をめざす。
「ここでもアメリカが団結に楔(くさび)を打ち込もうと動いているが、ラテンアメリカの国々のたたかいは発展していくでしょう」と結びました。


参加者による感想から
・すごくためになった。
・ラテンアメリカについてこれほどまとまって話を聞いたのは初めて。勉強になった。
・時間が少なくて残念。変革を進める上での国民の運動がどう関わったのかをもっと聞きたかった。
などの感想が寄せられました。